神奈川県のホームページで公開されている動画です。
5分ほどの動画ですが、詐欺の手口について分かりやすくまとめられています。
動画は在宅の高齢者が被害者になる設定です。
しかし、中小企業の経営者や個人事業者も、余剰資金の活用や副業などの名目で狙われやすいですから、
高齢者だけの問題ではないと注意が必要です。
また、会社員や公務員も、退職金が出るタイミング等で、出資等の勧誘を受けて狙われやすいです。
社債(会社が発行する債権)の他に、未公開株とか会員権など、それらしい権利を装い、
環境など、流行のキーワードを使って勧誘してきます。
今なら、TPPとか、東京オリンピックなどの話題を使ってきそうです。
動画のポイントとしては、次のことが挙げられます。
1本目の電話
「神奈川県在住者に限定」をうたっています。
「限定」されたものは、貴重なもののように思わされてしまうので、
この段階で、引っ掛かって購入してしまう人もいるかもしれません。
2本目の電話
「今月中に限り」という限定をつかったテクニックです。
また、1本目の電話と”違う”人から、1本目の電話の社債が価値のあるものと聞かされています。
第三者から聞かされた評価は、信じてしまいがちというテクニックで騙そうとしています。
3本目の電話
被害を回復したいという被害者の心理につけ込んでいます。
詐欺の被害に遭った人は、何度も狙われやすくなります。
1・2本目の電話と3本目の電話は、同じ詐欺グループによるものかもしれませんし、
被害者リスト(詐欺師から言えば、”カモ”のリスト)を得た別グループによるものかもしれません。
詐欺被害に遭わないには、うまい話に飛びつかないという心構えが大事なのは当然です。
しかし、詐欺をする側は、人をだますプロですし、手を変え品を変えて狙ってきます。
ある程度まとまったお金を動かすなどの際は、ご家族に相談してみるというだけで、ご家族が詐欺に気がつくかもしれません。
家族での判断が難しいとか、家族に話せないのであれば、弁護士に相談するというだけでも予防できます。
勧誘方法や契約書のチェックなどをすることで、問題のある契約の締結や支払を未然に防ぐことができます。
もし、支払ってしまって、少しでもおかしいと感じたらすぐに弁護士に相談すべきです。
詐欺グループからの回収は困難な場合が少なくありませんが、少しでも取り戻せるかもしれませんし、
二次被害を防止することになります。
【H28.11.29追記 上記の動画とリンク先が非公開になっています。理由は不明です。】
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弁護士 林 朋寛
(札幌弁護士会所属)
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