今年のミス・ワールドの日本代表は、日印のハーフで、象に乗る資格「象使い」の免許があるとのニュースがありました。
そのニュースをリンクしてTwitterに載せたところ、
という旨の指摘を頂きました。
道路交通法2条1項11号
軽車両 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。
問題は、上記の道交法の「軽車両」のうちのその他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)の「牛馬」に「象」が含まれるのかどうかが問題になります。
我が国で、象に乗ることに関して道交法の「軽車両」に象が該当するかどうか争われた事案があるかどうかについては、浅学ながら聞いたことがありません。事務所で導入している判例検索システムでも関連しそうな裁判例は見つかりませんでした。
そもそも、我が国の道路を象が歩いているのを見たことも聞いたこともありません。
条文の文言に忠実に解釈すれば、「牛馬」とある以上、牛でも馬でもない象は該当しないことになりそうです。
しかし、法律は、必ず文言に限定して解釈しなければならないものではありません。
「牛馬」とあるから、たとえばロバは該当しないのかというと、「牛馬」に含まれそうですし、鳥取県の砂丘の近くの道路にはラクダも歩いていそうですが(偏見に基づく想像です。)、ラクダも「牛馬」に含まれる軽車両の一つとなりそうです。
ですから、ここでいう「牛馬」というのは道路を通行する動物の例示なのかと考えられます。
道交法は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする法律ですので、道路を通行する動物については「軽車両」に含めて規制しようとしていると思われます。
そうなると、我が国の道路を通行しようという「象」も「軽車両」として道交法のルールに従って通行すべきでしょうから、軽車両の「牛馬」には「象」を含むと解釈すべきであるように思えます。
かなり雑で簡略に検討してみましたが、現実に象が我が国を歩くことはあまりない(笑)かと思いますので、そんなに悩むことではないかと思います。
(江戸時代に将軍吉宗の命で長崎から江戸まで象が来たそうですので、平成の世にも象が歩かないとは限らないですが。)
もし、「象」が「軽車両」にあたるかどうか争っているとか、公道で象を歩かせたいのに行政指導に問題があるなどのご相談・ご依頼があれば、しっかりと調査検討の上で対応いたしますので、その際はお申し込みいただければ幸いです。
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弁護士 林 朋寛
(札幌弁護士会所属)
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